青いフィレ肉は食べ難い

aoifireの雑記帳。

映像研には手を出すな! 感想

 「映像研には手を出すな!」を読んだ。最近ブーム(?)のアニメーションの裏側系マンガなのだけれども、漫画家による漫画解説本みたいに裏側を見せるってだけでやっぱりおもしろい。

 あらすじとしては海の近くで増改築を繰り返した結果変わった建築構造をしている芝浜高校に入学した主人公の浅草と金森がアニメーションを作成していく話。2人だけだとストーリーに盛り上がりがなくなるので、読モでありながら、アニメーションに興味がある水崎も参加した3人でストーリーが展開していく。3人いると大中小となって(文字通りキャラの身長が大中小となって)、バランスがとれる。

 アニメ裏側系がおもしろいといっても、単なるアニメーションの作成技法の解説を淡々とされたらアニメーション入門本になってしまう。話の中で日常パートとアニメパートが分かれていて、「あ、ここからは比喩の世界ね」とわかるようにアニメパートになると主人公たちはアニメの世界に入っていく。技術云々というより、実際に絵で見せられたほうが素人である自分たちにも納得がいく。「映像研には手を出すな!」自体がアニメ化を意識してなのかわからないけど、アニメ化したらこのアニメパートはスタッフとしては気合の入れるところだろうなと感じた。

 また、全員がアニメを書いてるわけではなく金森はいわゆるプロデューサー業に徹する。調整役もやりつつインフラ準備もする、すごく大事な仕事である。自分が大人になったらこそ分かるんだけれども、こういう裏方の仕事を疎かにすると結局仕事が進まないのだ、ということを痛感している。だからこそ、突っ走る浅草とコントロールする金森というバランス性が光っているように見える。

 あと、たまに出てくる設定画集のようなあるのだけれども、精巧に書かれているので大童澄瞳さんはアニメーション出身なのかなと思って経歴を調べたら、独学で学ぶとWikipediaに記載されていて、所属していわけではないらしい。というよりまだ24歳らしく、24歳でこれだけのストーリーを描くのは天才だなあと思った。

 まだまだ2巻なのでこれからだと思うけれども、今後が楽しみな作品だった。この手のは最初の展開の熱さを維持し続けるのが大変なので、中だるみしないように維持してほしいなと思いました。